人気ブログランキング | 話題のタグを見る

②オーマとジージのクロアチア大冒険旅行~初日【6月11日(水)】~

初日【611日(水)】

このような経過をたどり、6月11日当日を迎えた。

予定時刻を少々遅れて飛び立った飛行機だが、順調に飛行を続けていた。私達の席は、真ん中4列の左2席である。前は壁なので、足は自由に伸ばせ、出入りも自由なので何よりだ。隣の2席には親子と思われる外国人女性が座った。おそらく体重は私の3倍近くあるのではないかと思われる二人にとっては、この席以外には座れないのではないかと思われた。シートベルト着用のサインが消えると、いつものようにイヤーホンを耳にし、映画のプログラムを見るが、興味を引くものはなかった。大体音が悪すぎる。持ってきた本を広げ、しばらくは読書することにした。

もう何時間が経過したのだろうか?と思っていたところに、一人の日本人女性が気分が悪くなった様子でやってきた。顔色は真っ白である。まともに歩けないようである。私達のすぐ脇で控えていたキャビンアテンダントはすぐさま酸素吸入器を取り出し、その女性に取り付け、機敏に対応していたようである。その後ウトウトしていたら、突然のアナウンスに起こされた。急病人発生。乗客の中に医師はいないか、というものだった。

私の斜め後方に座っていた一人の日本人男性が前に進み出た。どうやら患者は前の壁を隔てた向こう側にいるようだ。その男性は、フィンランド人のキャビンアテンダントと何やら会話している。おそらく英語は堪能だと思われる。

しばらくして動きがあわただしくなった。点滴をするようである。飛行機内は既に睡眠時間に入り、電気も消され、皆静かに目を閉じている。ちょうど私の位置からドクターの姿が見えるので、気になって眠れなかった。しばらくすると、ドクターは自分の席に戻った。しかしその後も度々様子を見に行っている。そして点滴ははずされた。その時には若い男性が手伝っているようだった。医学生なのだろうか。私はいろいろ考えてしまった。飛行機の中で、急病人が出て、医師の呼び出しがあるということは、よく聞く話である。しかし、実際に乗り合わせた医師の中に果たして何人の人が名乗り出るのであろうか。患者の国籍もわからない、どういう状況なのかもわからない、たとえ病状がわかってもそこは空の上である。一体どういう処置をするというのか。また逆に私が患者の立場だったらどうだろうか。言葉も通じない国の人が医師だと言われて現れても、かえって不安になるのではないだろうか。でもその時の日本人ドクターのような人だったら、どんなに心強く安心した気持ちになることだろう、と心の底から思った。本当にすごいと思った。降りる際、患者は先ほどの酸素吸入をしていた日本人女性であることがわかった。顔色も良くなり、元気を取り戻した様子だった。本当に良かった。

そんな訳で殆ど眠らないうちに、飛行機は着陸態勢に入った。フィンエアーの最も良い点は、飛行時間が短いということである。普通ヨーロッパに行くには12時間かかるところ、ヘルシンキまでは10時間30分だった。最後の2時間がつらいので、この速さは魅力である。ヘルシンキから乗り換えてクロアチアのドブロブニクまで行くのである。空港内を歩いていたら、なんと偶然に友人夫妻と会ってしまった。オランダから川くだりのクルージングツアーだそうだ。私達よりも長い二週間以上のツアーということで、既にリタイアーされたと思われる御夫婦での参加が多いように見受けられた。世界は狭い!

ここで、私は腕にはめている時計の針を現地時間に合わせた。 1655分の予定時刻をかなり過ぎて1720飛行機はドブロブニクへ向け飛び立った。そして、2時間ほどで着いた。空港を出たあとレンタカーのお店に行ったのだが、用意されたのはVWではなく、三菱コルトだった。どうなっているの?と思ったが仕方がない。受付にいたのはアルバイトの男の子で、手続きにえらく時間がかかった。お店の人は夫と何やらおしゃべりをしている。

サッカーワールドカップの開幕戦、ブラジル対クロアチア戦はまさにちょうどその日だった。みんな待ち遠しいようで、最高に盛り上がっていた。クロアチアの旗をつけた車も行き交っていた。

ようやくコルトに乗って出発したのは、9時を過ぎていた。今の季節、まだ明るいが、暗くなってしまったらホテルにたどり着けないのではないかと気が気ではなかった。しかし道を間違えてしまい、なかなか見つからなかった。そのとき1台の観光バスが止まっているのが目に入った。ヒマそうな運転手さんに聞いてみた。彼は片言のドイツ語で一生懸命教えてくれた。こんなところでドイツ語が役立つとは・・・10時頃、予約を入れたホテルに到着した。しかし部屋に落ち着くにはまだ時間が必要だった。ホテルの前はプロムナードになっていて、車は入れない。離れたところにある駐車場から荷物をゴロゴロ引いてこなければならなかった。しかしまだエレベーターがあるだけ良かったのである。とにもかくにもクロアチア旅行の初日は無事に終わった。(つづく)


by mako-oma | 2015-01-20 15:18 | 旅行 | Trackback | Comments(0)  

<< ③オーマとジージのクロアチア大... ①オーマとジージのクロアチア大... >>