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①オーマとジージのクロアチア大冒険旅行~出発まで~

オーマとジージのクロアチア大冒険旅行

~5段シフトマニアル車で走った1500km



2014611日(水)、雨上がりの成田空港をフィンエアーAY0074便はクロアチアへ向かって飛び立った。この日成田までの道のり、頭上には暗雲垂れこめ、ワイパーに打ち付ける雨は激しさを増していった。こんな気象条件の中を飛び立たなければいけないのかと、少々不安な気持ちになったが、幸い出発時刻11時の頃には雨も上がっており、一安心。

思い起こせば15年前、イギリス在住中に知り合ったリタという女性が毎年バカンスはクロエイシアに行くというのである。英語でクロエイシアと言われても私にはどこにあるのかさえも全くわからなかった。

彼女は90歳を超えた今でも健在で、娘さんファミリーと一緒に生活をしており、旅行にも出かけているようである。

帰国し、しばらくすると、日本の旅行会社の広告でもクロアチア旅行を目にするようになり、ここ数年特に人気が出てきたように感じていた。

私は今年から前期高齢者の仲間入りをした。このところ同級生の訃報が相次いだ。お正月早々、小学校生活6年間を一緒にすごしたクラスメートが亡くなった。私はいろいろなことを考えさせられた。

夫と私は7歳違いである。二人揃って元気に旅行できる今を逃したら、もう一生クロアチアには行けないと思った。人生最後の海外旅行のつもりで、飛行機はビジネスを、ホテルは五つ星を、ぐらいの勢いで、旅行計画をたてることにした。

クロアチアという国は、1990年代には戦争をしていた国である。旧東というと、やはり個人で行くのは大丈夫なのだろうかと思った。通常私達の旅行は、まず安いフライトチケットをとり、ホテルを探し、レンタカーを予約して回るというのが、今までのやり方である。でも今回はツアーに参加した方が良いのではないかと考え、旅行会社のパンフレットを手当たり次第集めて検討した。その結果、見て回るところはほぼ同じ、日数やホテルのランクなどにより、値段の違いがあるようだった。クロアチアとスロベニアが一緒になっているツアーが多いようだ。隣国ボスニア・ヘルツェゴビナやモンテネグロを含むものもある。最近は高齢者向けにゆとりのある旅を売りにしている企画も目立つ。ある旅行会社の説明会に行ってみた。来ているのはほぼ全員60歳以上と思われる。

過去にこの会社のツアーに参加し、スタッフとも顔なじみの様子があちこちで見受けられる。どうやら高齢者にとっては至れり尽せりのツアーのようである。

ヨーロッパ有数の規模を誇るスロベニアのポストニア鍾乳洞はどのツアーにも必ず含まれている。内部へはトロッコ列車で入って行き、スリル満点だという。温度は8度程度になるので、上着は忘れないようにとの指示がある。

ちょうどその頃、私は録画した番組を整理していて、偶然、「女子アナ絶叫!ポストイナ鍾乳洞」というのを見つけた。それはテレビ局に入社した娘の小学校時代のクラスメートがレポートしている番組だった。それを見て、やはり私は鍾乳洞はパスだと思った。以前オーストリアの鍾乳洞で、見終わると電気が消されるようになっており、私は列の後方にいて結構怖いと思った。元来、暗いところや寒いところは苦手である。そうなるとやはりツアーはいろいろと制約があり、好きな時に起きて、その日の天気や気分で行動できる個人旅行は捨てがたい。結局方針変更を決めた。

個人で行くのに、クロアチアとスロベニアの両方は無理である。

何しろ南北に非常に長いので、とても運転手一人で運転して回れる距離ではない。ホテルを2ヶ所ぐらいとって、そこを中心に回る計画をたてることにした。

まずネットでフライトチケットを調べてみた。ところが、もう既に時期遅しという感じで、6月の便を見て驚いた。飛行時間が20数時間もかかる便が多いのである。クロアチアまでの直行便はないので、ヨーロッパのどこかで乗り換えないと行かれない。それでも15時間ぐらいのものだと思っていた。2度乗り換えや、空港で9時間待ちとかになると、20時間を越えるフライトとなる。12時間のヨーロッパ便が年々苦痛と感じている私にとっては、20時間なんて、とんでもない話である。とにかく一番早く到達できるのがフィンエアーだとわかり、日程は611日(水)から22日(日)までの12日間とすることにした。行きは6月11日成田1100発ヘルシンキ経由1855ドブロブニク着、帰りは21日(土)ドブロブニク1100発ヘルシンキ経由翌22日(日)855成田着である。この段階でビジネスという話はなくなった。幸い前が壁で足の伸ばせる席が取れたのである。往復共この席が取れたことは本当にラッキーだった。

その後はホテルである。フランスやドイツを旅したときは、まずミシュランの本を買ってきて、静かな環境にある、あまり大きくないクラシックなホテルを探した。庭があって、バスタブもあり、美味しいものも食べられるとあれば、決定である。星は多くても、プールやスパ付きのモダンなタワーホテルは避けたい。ところが、今回クロアチアの本が見つからなかった。おそらく売れないのだろう。仕方がないので、ネットで探した。ホテルの数は、限りなくあるのだが、その中から選ぶのは至難の技である。ようやく何とかドブロブニクとトロギールの二つの町に4泊ずつとり、最後の日は飛行場の近くに1泊とった。

その後、クロアチア旅行経験者の話を聞き、世界遺産のプリトヴィッツェ湖畔国立公園ははずせないとわかった。ドブロブニクからトロギールまでは300キロ近くあり、トロギールからプリトヴィッツェまでも250キロはあるのだ。とても日帰りで行かれる距離ではないので、スルニという町にホテルをとった。ガイドブックにも載っていないこの小さな町は、友人のお勧めである。

このようにして、行きたいところを決めていくうちに、ホテルの数も増えていってしまった。そして、小さな町には五つ星ホテルなど存在しない。この段階でデラックスホテルの話も消えた。そうなると、はじめに予約したホテルが、やけに高く感じるようになった。私が希望するようなこじんまりとしたクラシックなホテルとは程遠い、何百室もあるプール付き、スパ付きのタワーホテルに、高額を出して泊まりたくもない。そんな訳で、既に予約を入れていたホテルはキャンセルして、再度取り直しということになった。

私がこのような作業をしている間、一緒に行く夫は何をしているかといえば、これまた大変な作業をしていたのである。まず、クロアチアの道路地図を手に入れようとしたのだが、やはり売っていない。そこで考えたのが、アプリである。タブレットを購入し、クロアチアの道路地図のアプリを買ってダウンロードした。もう一つは、グーグルのストリートビューである。すごい時代になったものだ。いまや、現地に行かなくても、道路の様子がわかるので、ホテルまでの行き方を念入りに調べていた。せっかく調べ上げたのに、そのホテルはキャンセルである。新たに五つのホテルの行き方を調べなければならなくなった。

夫はこんなことをずっとしていたので、行く前からもう既に行った気になっていた。

ホテルが決まれば、あとはレンタカーである。夫婦二人だけなので、そんなに大きな車はいらない。ヨーロッパのレンタカーは殆どがマニアル車である。オートマもないわけではないが、数は少なく高い。はじめは、ドイツのレンタカー会社にメルセデスを頼んだのだが、何やら訳のわからない理由で、こちらの希望には応じられないという。それではとVWに変えてみたが、それでもだめだった。一体どういうことなのか? ドイツのレンタカー会社は旧東側に行くことをいやがるのではないか、という友人もいた。修理等になった場合にいろいろ面倒なことになるというのがその理由だが、正確なところはわからない。仕方がないのでエイビスでVWのゴルフを予約した。ちなみに夫の免許証は35年前に取得したドイツの免許証である。イギリスの免許証は年齢制限があり、70歳で終了してしまった。ドイツの免許証は一生有効である。一応私も持ってはいるが、国内ですら地域限定・期間限定のドライバーである。国外で運転するなんてことは一生ないだろう。

すべて準備は整った。ところがその後、何年ぶりかに歯が痛み歯医者さんに行ったところ、虫歯になっていて、それもかなり深いので神経を抜かなければいけないかもしれない、ということだった。出発まで日にちもないので、とりあえず神経はそのままにして治療してもらった。鎮痛剤を処方され持参するよう指示された。そんな中、隣に住む娘が体調を崩し、夕飯は我が家で一緒に取るようになった。夫婦二人だけの食事とは全然違う。私達がいない間どうするのだろうと思い、冷凍できる料理を何品か作り置いた。疲れがたまると腰にくるのだが、不運にも出発前その腰痛が襲って来た。2日前に整形外科に飛び込み、湿布と鎮痛剤をもらい、ひどくならないことを祈りつつ病院をあとにした。(つづく)


by mako-oma | 2015-01-18 09:09 | 旅行 | Trackback | Comments(0)  

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